昇進や昇格ができなかった人むけて(改訂版1)

今は昇進を希望しない人の方が多いようです。
しかし、ここでは昇進できなくて残念に思っている人、悔しく思っている人に向けて、書きます。少しでも気持ちが和らげば嬉しいです。

 

なぜ、残念なのか。悔しいのか。
 まず、気持ちの原因から考えてみます。おそらく以下のうちいずれかに該当するのではないでしょうか。
・正当に評価されていない。軽く見られているように感じる。
能力のない(と思われる)者が昇進したのにも関わらず、自分はそうならなかった。
・同期や後輩が先に出世しており、取り残されたような気分になっている。
・順番的に今年昇進すると思っていたのに、また家族からの期待があったのに、そうならなかった。

 

考え方
①昇進で失うものを考えてみる
 最初に書きましたが、今は昇進を望まない人が多いです。これは、昇進のデメリットをよく理解しているためだと考えます。
・給与が大きく上がる訳でもないのに、責任は重くなる。
・部下の面倒を見なければならない(部下の皆が優秀な訳ではない!)
・そんな部下の失敗で貴方の評価も低くなる。
・仕事は多くなるのに残業代は出なくなる。
・飲み会の機会も増えるし、余分に払うお金も増える。
・休みも取りづらくなるし、転職や副業のように新しい挑戦もしづらくなる。
多くの人はそんな生き方したくないと思っているようです。とはいえ、給与面や仕事への影響力の大きさなど、良い面もありますので、もう少し書きます。

 

②運の要素が強いことを理解する
 昇進するために最も重要なことは、力のある上司に気に入られて認められることです。
 まず、自分の上司に力がないと気に入られていても昇進しづらいです。
また、仮に力のある上司の部下になれても、その上司に好かれるかは分かりません。
配属先で、昇進のしやすさも違います。これらは運の要素が強いです。
また、貴方にその資格があっても、より適任の方(上司に気に入られる方)がたまたま同世代にいただけかもしれません。十中八九、あなたの実力がとりわけ低い訳ではありません。
 
③評価基準が戦前
 貴方は女性であったり、中途採用であったり、子育て中であったり、介護中だったり、職場から家が遠かったりしていませんか。
 それらは昇進の際に考慮されるかもしれません。考慮と書くとよく見えますが、つまりマイナスの査定をされます。ほとんどの場合、上司は「おじさん」です。古い体質から抜けられないのだと思います。こちらも貴方の実力や人間性に全く関係なく、悪いのは企業と日本社会の体質です。

 

④因果応報
 スピリチュアルなことを言うつもりは毛頭ありませんが、考え方の一つとして。
貴方は今まで品行方正に生きてきましたか?もし、回答が「はい」であるならば、貴方は何もしていない人か、自分を客観的にみられない人だと思います。ほとんどの人は生きているだけで、誰かを傷つけたり不快な思いをさせたりします。
 貴方は人を傷つけておいて、自分だけ望みが叶うなど甘い。都合が良すぎると思いませんか。今回昇進できなかったのは、因果応報であり、反省の機会ととらえて下さい。

 

⑤自分が昇進に相応しいというその自惚れに気づく
 何をもって、自分が昇進に値すると勘違いしているのでしょう。東大卒だから?花形の部署にいるから?毎日残業しているから?コネがあるから?社内での顔が広いから?
 どれ一つとっても昇進に適しているとは思えないです。勘違いも甚だしい。また、プレーヤーとしての能力と人を管理や指導する能力は異なりますよ。

 

蛇足ですが、以下に補足します。
・東大卒が勘違いの理由
 有名大学卒であること。そこから分かるのは勉強ができることです。努力したかもしれませんし、人より物覚えが良いのかもしれません。もちろん、それが業務に大きく貢献することもあるでしょうが、こと、昇進というと管理の立場に近づくわけですから、対人スキルが最も重要になると思われます。勉強ができることは力の一つではあるものの、さほど重要ではないのです。


・花形の部署が勘違いの理由
 力のある上司が多く所属していると思われるため、チャンスは多くなります。ただ、それだけです。貴方がそのポジションにふさわしいか否かは別の話です。


・毎日残業が勘違いの理由
 残業の対価は割増賃金(残業代)で既にもらっているはずです。昇進とは関係ありません。残業もして昇進もするのは対価の二重取りです。むしろ、仮に大した理由が無いのに残業している場合は、人よりも能力が劣っていることを示します。


・社内で顔が広いが勘違いの理由
知り合いが多いので、きっと人当たりが良いのでしょう。それ自体は好ましいことです。ただ、テイカー(人から貰うばかりで与えない人)の特徴も「顔が広い」です。ギバー(人に与える人)として敬意や尊敬を集めている場合もあり、一概には言えませんが、もしテイカーが管理する立場になったら最悪です。つまり、それだけでは何の理由にもならないということです。

 

以上より、昇進に値する明確な理由などなく、みんな「なんとなく」決めて「なんとなく」で選ばれているのです。誰々からの評判が良いから、何歳だから、笑顔がいいから、声がでかいから、指導している(ふうに見える)から、等、結構適当です。
創業社長は別ですが「なんとなく」なのです。


そもそも、出世したい理由について
①出世して何がしたいのですか?
もしかして、ただ、チヤホヤされたい、廊下ですれ違った時に頭を下げてもらいたい。そんな感じではないですか。それなら、出世よりもっといい方法があります。キャバクラやホストクラブに行くことです。
会社という狭い組織で他人と比較して劣等感を抱いているだけではないでしょうか。それは、「クラスで自分だけ逆上がりができない」と悩んでいる小学生と同レベルなので、まずは他人との比較をやめましょう。その時の体育の成績は1で、その時は辛いと思いますが、長い人生で、そんなのは気にする必要ないことを我々は既に知っているはずです。
万一、本当に小学校レベルの社員しかいなくて、本気でバカにしてくる同僚等がいるならばハラスメントとして訴訟しましょう。
そして仮に出世してチヤホヤされていても、定年で全て失います。

 

②出世の目的が承認である場合
自分の有能さを信じたい的なパターンです。しかし、有能さも色々あります。会社や上司が違えば評価も違う。今の時代の、この会社の、その上司からは評価が貰えなかった。とても限定されています。人としての評価という意味であれば、優しさ、思いやり、勇気・・・等様々なもっと重要なパラメータがあると感じます。
そして、それらの人としての価値に基づいて貴方の半径5mの人から認められればそれで満足なはずです。良識のある人ならば、役職に関わらず適正に人を判断して付き合うはずです。肩書でしか判断できないような人にはならないでほしいですし、そんな人に認められても仕方がないです。
 上司を上手くヨイショ!し続ければ出世はできるかもしれませんが、ヨイショし続けて定年を迎えるのでしょうか。肩書でしか貴方を見ない人に囲まれて幸せになれそうでしょうか。

 

③出世してやりたいことがあるという方。
 日本を変え、国民に影響力を与える。会社を変え、社員に影響を与える・・・権力をもって大きなことをやりたい。
そんな大きな夢を持っている方、大いに結構ですが、出世しないと、やりたいことが本当に出来ないのですか?それぞれの立場で、やり方あると思うのです。
政治家にならなくとも一票は投じられるし、社長にならなくとも提案はできると思います。貧しい人々を治療できなくとも、医薬品のための寄付はできるはずです。
この国には課題はまだまだ多く、良くしたいとの想いは素晴らしいです。
自分は自分に出来ることをやる。立場が何であれです。逆に、それ以上のことは出来ないはずです。立場が何であれです。

 

④出世の目的がお金の場合
 出世より良い方法があります。副業や投資です。サラリーマンである以上、多くの会社では年収2000万円や3000万円が上限ではないでしょうか。しかし、副業で人気You tuberになったり、起業で当てたり、投資で増やしいけたりすれば青天井で増えていきます。もちろん誰にでもできることではありませんが、億の年収も狙えます。そして、定年もありません。生きている限りチャレンジできます。

 

貴方がするべきこと
 貴方がするべきことは、昇進とか考えず、自分の仕事をしっかりやることです。注意すべきなのは、誰かが見てくれているなどと思わないことです。ぶっちゃけ、誰も見ていません。
しかし、貴方は見ています。貴方は自分の仕事を見ています。どんな立場であれ、いつか退職するときに、全力で職務に取り組んでいたかどうかで気分は全然違うと思います。やり切ったならその時の立場はどうであれ気分は爽快のはずです。
昇進させるか否かは他人が決めることです。人が決めることなので、間違いは当然ありますし、正確な評価などできるはずはないのです。他人が決めることはコントロールできないので、自分ができることを精いっぱいやることです。


その「自分ができること」は先に書いた自分の仕事を一生懸命やること。その他に、
・資格等の勉強もよいでしょう。
・副業もよいでしょう。
・少しでも自分を正しく評価してくれる企業へ転職することもよいでしょう。
・仕事はそこそこに、趣味等の好きなことを伸ばすのもよいでしょう(好きは意外な武器になるかもしれません!)。
・家族や友人との時間を大切にして、人生を充実させるのもよいでしょう(これは、多くの場合、出世した人ができないことです)。
つまり、何でもありです。

 

恋愛とか、就活とか、出世とか、お笑いのショーレースとか・・・様々なものが、ある程度努力できるものの、基本的には自分のコントロール外です。
自分に出来ることを頑張ったら、あとは視点を少し高くしてみてください。
逆上がりができないままでも、それはそんなに重要なことでしょうか。それに、逆上がりができなかったからこそ、他の可能性に気付けることもあると思います。