ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人 著:東野圭吾 光文社 

2020年初版

 

主人公は謎の多い元マジシャンです。

地方の温泉観光地で殺人事件があり、被害者の弟であるそのマジシャンが事件を解決していく話です。

 

主人公は、無礼でお金に対する執着が強く、恐らく私は親しくなれないタイプの人間ですが、離れたところから見ている限りは非常に魅力的で面白い。

警察(権力)に対しても屈することのない感じも好感が持てますし、何だかんだ人情味があることも感じが良いです。

 

本書は事件のトリックや動機とかではなく、主人公の人間性の魅力が際立っていると思います。ガリレオよりも主人公の魅力は際立ってると思います。

 

どんな人にお勧めでしょうか・・・

日々同じような生活を送っている、大多数の人に少しの冒険を提供できるかもしれません。特に、お話の舞台がコロナが流行っていた中での地方の観光地なので、そのような場所に住んでいる方々はより話に入りやすいかと思います。

 

 

「手紙屋」 蛍雪篇 私の受験勉強を変えた十通の手紙 著者:喜多川泰 出版: ディスカヴァー・トゥエンティワン

初版2007年

2024/3/27

 

手紙屋(就職活動版)が面白かったため、読んでみました。

 

何のために勉強をするのか・・・誰もが思ったことがあると思います。
本書はこの疑問に対して手紙屋の考えが書かれています。
受験生はもちろんのこと、社会人にも世代を問わずお勧めしたい本です。

 

私も同じようなことを考えてきて、本書に書いてあった内容と自分の考えが近かったので自分としても少し自信になりました。
ただ、参考になることが色々書いてありましたが、最近睡眠がうまく取れておらず頭が働いていない状態で読んだためかあまり覚えていないです。

 

自分の言葉も含めて印象に残っていることを書きます。

 

・過去の天才が人生をかけて明らかにしたものを、瞬時に得ることができる。
例:我々は高い所から鉄球を落とす実験をしなくとも、重力加速度が9.8m/s2であることを知っています。数分で学べます。
そういった意味で、大学までの勉強はコスパ最強です。
 
・勉強の目的は「貴方の将来のため」(より稼ぐため)などというスケールの小さな話ではなく、人のため、社会のため、地球のため。
例:出来ることが増えると、それに比例して社会への貢献度が大きくなる。より正しい選択ができる。
小さな例として、プラごみの日にペットボトル出している人がいますが、間違っています。(ペットボトルはプラスチックではない)。勉強をすることで正しい選択ができます。
勉強をして学べば、人に教えることができます。製品の開発や発明ができる可能性もあります。iphoneのような製品開発もできるかもしれません。

 

勿論、稼ぐチャンスは多くなりますし、騙されることも少なくなります。

 

「福」に憑かれた男 人生を豊かに変える3つの習慣 著:喜多川泰 総合法令出版

2008年初版

 

2024/3/24

 

福の神に憑りつかれた、街の小さな書店の店長の話です。

様々な困難を乗り越え、自分の目指す姿に近づいていくお話です。

 

本書には、有名作家として著者(喜多川泰さん)が恐らく本人役で出てきます。

かなり良いポジションで出てきます(笑)

読んでいてご自分に自信があるんだろうなぁと感じました。

※私は著者の本が好きです。

 

著者の作品「運転者」「手紙屋」に比べると、少し物足りない感じがします。ここまで上手くいくかな・・・と疑問に思う点もなくはないです。

しかし、そこはお話しですし、小さな書店として成功することを考える時、立地や年代など状況は様々で、一つの決まった方法など無いでしょうし、良書だと思います。

特に自営業者の方などお勧めしたい本です。(自営業者に限りませんが・・・)

 

なお、福に憑かれるには、以下の方法があるとのこと、成長をしたい方は心にとめておいてください。私もメモ帳に書いて忘れないようにしたいと思います。

 

・人知れず他の人のためになるいいことをする

・他人の成功を心から祝福する

・どんな人に対しても愛をもって接する

 

 

 

「手紙屋」 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~ 著者:喜多川泰 出版: ディスカヴァー・トゥエンティワン

初版2007年

 

2024/3/21

 

恐らく多くの大学生は、何の指針もなく就職活動をしていると思います。
それは、名前を聞いたことがある企業だからとか、先輩が就職した企業だからとか。

 

本書は就職する会社を選ぶ際の一つの考え方になるとても優良な本だと思います。
勿論様々な考え方がありますが、誰かに送りたくなる本です。

 

会社選びのポイントを一つだけ書くとするならば、
自分が働こうとしている会社は、どこに向かおうとしている会社なのか。
そして、自分はそれに賛同できるのか。
給料も大事だが・・・
個人的にも、ワンルームマンション投資や(不必要な)保険の営業など、詐欺まがいのことで仮に設けることが出来ても、やり甲斐は無く、社会にとっての害悪でしかないように感じます。そこまでではなくとも、自分が目指す世界とかけ離れた業務は長く続けられないように感じます。

 

その他、自分がなるほどと思った点として、
最短距離で行こうとせず、目の前のことに全力で取り組むこと。

例:英語を得意としていて将来は英語を使う仕事をしたいと考えている高校生がいるとする。最短距離を意向として、英語の勉強に集中することは必ずしも良い結果にならない。
そのような会社の面接では、英語は出来る人しかいない。
英語は必要条件ではあるが十分条件ではない。
だが、英語の他に数学ができれば、数学の学習参考書の英訳ができるかもしれないし、日本史が出来れば、観光案内ができるかもしれない。
数学や歴史が関係ないからと勉強してこなかった人よりも可能性が広がる。

 

読書で世界は広がります。

 

 

運転者 未来を変える過去からの使者 著者:喜多川泰 出版: ディスカヴァー・トゥエンティワン

初版2019年

 

2024/3/15

私は、世の中はほとんどが運の良さで決まると思っていました。
住んでいる場所、生きている時代、家庭の経済状況、健康、遺伝的な素養、出会う人などなど、ほとんどすべての事柄が運次第です。そして、運とは天から降ってくるようなランダムなものだと感じていました。


本書は、人生のどん底と感じられるような状況にいる主人公が、自身のターニングポイントとなる場所に連れて行ってくれる運転者から、様々なことを学ぶ物語です。

私は同じ小説は2度読まないのですが、本書はもう一度読みたいと感じました。
今の自分には必要な本なのだと思います。
夜中に起きてしまうなど不眠状態が断続的に2年以上続いていましたが、まだ読後1日目ですが、久しぶりに目覚まし時計で起きました。


・上機嫌でいないと運には気づけない。
・運は貯めて使うポイントのようなモノ。
・運を貯めるには、いつも上機嫌でいること、人のために時間を使うこと。
・何事にも興味をもつこと。
・人と比べないこと。
・プラス思考でいること。
※自分が生きている間に、世界をほんの少しでも良くする(プラスにする)思考
・何もいいことが無かったとしても、それは次の世代へ運を送っている。
・むしろ良かったとおもうこと。(人間万事塞翁が馬

追加で編集すると思いますが、まずはここまで。

 

 

技術士二次試験(上下水道部門)合格(2024年度)

2024年度の技術士二次試験(上下水道部門)に合格しました。
受験される方への参考用に記載します。

 

状況
・平成**年度に技術士(機械部門)に3回目の受験で合格
(1回目口頭試験不合格、2回目筆記試験不合格、3回目合格)
・令和5年度に技術士上下水道部門)に1回目の受験で合格

 

はじめに
技術士試験を何度か受けてみて感じることがあります。
それは、運の要素が強いということです。そして、相性もあるでしょうが手の届かない試験でもないということです。(私にとっては技術士よりも、電気主任技術者三種やTOEICで高スコアをとるほうがよほど大変でした。なお、TOEICに関しては道半ばです。)
そのうえ、技術士は試験の透明性を疑いたくなる点があります。
論文試験と口頭試験になりますが、論文の字が読みづらいとか、口頭試験で顔が気に入らないとか、いくらでも難癖付けられるのでないかと心配になります。論文も自分の専門によって得意な題材と苦手な題材があると思いますし、口頭試験管が自分と合わない人だと辛いです(私も口頭試験不合格で落ち込みました)。
多くの他の資格試験のようにマークシートのテストも運の要素はありますが、それよりも遥かに運が強く影響すると思います。
それでも(だからこそ)、一定の評価を得ている試験だと思いますし、私も4回受験中3回は筆記試験通過しているため、やはり合格の確率は上げられるのだと思います。
これから頑張る皆さんへ少しでも参考になればうれしいです。


全般について
・受験申込案内はしっかりと目を通してください。
※多くの人が受験後に気が付きますが、受験申込案内は超重要です。(しっかりと評価項目の所を確認すれば、漫然と論文や口頭試験をすることが無くなるはずですので、申込書に記載のある「技術士コンピテンシー」についてしっかり理解しておく必要があります。)
技術士受験を応援するページSUKIYAKI塾(https://www.pejp.net/pe/)がおすすめです。
You tubeで「技術士」と検索すると有益な情報を発信している方々がいます。私も参考にしました。
・ブログも同じく、有益な情報を発信してくださっている方々がいます。「技術士+貴方が受ける技術部門」で検索してみてください。私も多数参考にさせて頂きました。


申込書
申込書(業務内容の詳細と経歴)は非常に重要です。
何故なら口頭試験での質問のベースになるためです。この申込書が良くないと口頭試験で不合格となる可能性が高まります。

自分の経験からアドバイスすると、業務内容の詳細は「難しすぎてもダメ」ということです。
貴方が書いた業務内容について、試験管も万能ではないため、試験管の基礎知識が無い可能性があります。特に、業務内容が他部門にまたがるような複合的で高度なものほど、理解されない可能性があります。
だからと言って、簡単すぎても通常業務となってしまい技術士として相応しくありません。
業務内容の詳細で口頭試験に係わる評価項目は
①コミュニケーション、リーダーシップ
②評価、マネジメント
です。(受験申込案内に書いてあります)
これらをアピールできるような業務が望ましいです。実態としては通常業務にあなたが工夫した点を2~3点入れるくらいの温度感で、簡単ではないけれど試験管に分かってもらえる「適度な」高度さが良いと思います。
なお、技術士は計画・設計・分析・試験・評価及びこれらに関する指導の業務 ですので、経歴の欄も「〇〇の計画」にするなど、表現も注意が必要です。

必要時間
申込書の作成には1週間(15時間)ほど要しましたが、もっと時間を使っても良いと思います。


筆記試験
論文はフォーマットの通りに書く
論文は実はそれほど難しくないです。参考書やネットで型を見つけたらそれをマネするだけです。手順は以下の通り。

①過去問とその回答例を参考書やネットで探します。
可能な限り探します。私は30本くらい回答例を探せました。雑誌等に乗っている場合もあります。
上下水道部門の場合は「水道公論」に回答例がありました。(多くの場合、私はあまり良い回答だと感じませんでしたが・・・) 
その他、例えば環境部門は「月間下水道」に回答例が記載されていました。
なお、ネットの回答例はあまり良くないものも多いですが、勉強を続けていると良し悪しが分かるようになります。

②回答用紙に書き写します。構成を覚えるためと後述する③のため、パソコンで書きます。
直す必要のないほど良い論文は手書きで書いてみます。(自分が回答用紙1枚を埋めるのにどれくらいの時間を要するかが分かるためと、手書きだと知識の定着が速いためです)
自分で書いてみると、意外と知らない漢字も多いなど新たな気づきもあると思います。
なお、原稿用紙はネットにあります。「技術士 答案用紙」で検索
※ポイントは、「合格原稿かどうかが自分で分かるようになること」です。そのために、受験申込案内の評価項目はしっかりと把握しておく必要があります。

③書き写したパソコン原稿を印刷し、分かりづらい点や自分で調査したことを基に、「自分だったらこうする」と朱書きで訂正していきます。修正したらまたパソコンで書きなおします。
※繰り返しですが、評価項目をしっかりと把握してく必要があります。

④キーワードだけ纏める。
 ①~③を20本、30本とやっていくと、型が身に付きます。型が身につくと文章はOKなので、自分の引き出しを増やします。
 そこでキーワード学習をします。
そのキーワードで挙げた技術の目的、効果、問題点、利点、費用、今後の展望など、箇条書きで書いていきます。
型を身に着けた後であれば、この箇条書きだけのキーワードだけで、文章が書けるようになっていると思います。
なお、キーワードのヒントは業界紙や管轄省庁ホームページ(上水道ならば厚生労働省(R5年度時点)、下水道ならば国土交通省)です。業界紙で受験年度の前の年(例えばR6年度に受験される方であれば、R5年度の業界紙)を参照します。問題作成に時間を要するため最新すぎてもダメです。話題になっていたテーマや管轄省庁で取り上げられていたテーマは技術士の論文で出題される可能性が高いです。

⑤可能な限りキーワードを増やし、そのキーワードに基づいて回答を作成する。
そして③のブラッシュアップをする。
できれば人に添削してもらうと勉強になります。 
私は「新技術開発センター」で添削をしてもらいました。安くはないですが、知人に頼むよりも客観的な視点で見てもらえますし、遠慮も要りません。

⑥自分が作った回答原稿とキーワード集を印刷して、繰り返し(できれば毎日)読みます。
 論文に違和感があれば③の通り修正します。日々の学習で興味を持った項目があればキーワードに追加します。

⑦当日
準備をしても、当然、全然知らない範囲の問題が出ます。その時は常識で考えて書きます。
自分にその試験問題の経験が無かったとしても、問題文を読んで「当然必要と思われること」を書いていきます。それは、地域住民と調整するとか、PDCA(計画→実行→チェック→改善)を行うとか、人、モノ、カネについての調整や確認だとか、業務経験があれば予想できると思います。
※逆に言うと、ここで自分の経験したこと以外の業務手順の予想が出来ない場合は技術士のレベルではないということになります・・・

勉強時間
3時間×60日=180時間。かなり少ないほうだと思います。


口頭試験
①ネットや参考書で質問例を集める。
②質問例と貴方の業務経歴から質問の回答例を作成する。
その際に、コミュニケーション、リーダーシップ、評価、マネジメントの視点を入れるよう注意する。
試験管の採点用紙はきっとコミュニケーション、リーダーシップが〇点など項目ごとに分かれています。ここが非常に重要です。
③技術者倫理と継続研鑽につても話せるよう回答例を作ります。
論文では受験する年の前年度の情報を集めますが、口頭試験では最新の情報を集めて、試験管に継続研鑽していることをアピールします。
それに比べたら重要度は落ちますが以下についても準備しておきます。
③業務経歴を1分~3分で話す練習をする。
④筆記試験のご自身の解答で補強すべき点を用意しておく。

できれば、こちらも誰かに見てもらったり、自分の口頭試験の練習の様子をビデオに録画してもらって、自分で確認すると良いです。(今回、私は人に見てもらいませんでしたが、前回の機械部門の時はそのように練習しました)

準備時間
1.5時間×30日=45時間
筆記試験の合格後から準備しました。(もちろん、早いに越したことないですが、モチベーションの問題です)


口頭試験当日
ここまでやったのなら、あとは運次第です。
私は2時間前に会場の最寄り駅につくようにし、近くのファーストフード店でコーヒー飲みながら、想定Q&Aを少し読み返しました。後は音楽聞いていました。
そして、試験本番では当然ですが、想定と異なる質問が来ましたし、回答できなかった質問もありました。その結果、不合格となる人もいると思いますし、合格になる人もいると思います。


使用教材
技術士二次試験「上下水道部門」対策<論文事例>&重要キーワード(日刊工業新聞社
 技術士試験のコツ、きちんと練られた筆記試験の過去問回答例、キーワード学習も記載されている優れものです。
技術士二次試験「上下水道部門」解答論文事例100選(日刊工業新聞社
 少し古い本ですが、論文の参考にしました。
・トコトンやさしい下水道の本(日刊工業新聞社
 下水道全般について学習するために購入しました。上下水道と一口に言っても、水質、設備、土木、もしくは経営など様々あると思いますので、網羅的にカバーするために使いました。一読して出題されそうだと感じたところをキーワード学習しました。
・水環境工学オーム社
 根拠を確認するために使いました。一読してからキーワード学習の利点や目的などの記載に使いました。教科書としては、読みやすいと思います。


最後に
出題の予想は難しく、かなり広範囲の勉強がいるように思いますが、実は思っているほどではありません。
上記の筆記試験⑦でも書きましたが、想定した問題が出題されることは稀で、試験で問われているのは例えば、「お客様から〇〇について急な相談を受けた。その場で完ぺきではないまでも70%くらいの精度で手順や利点などの説明をする」そんなことが出来る人ですか?と言うことです。
※そのためにもちろんカードは必要で多いほうが良い(勉強は必要不可欠)ですが、極論、経験豊富で勉強をしてきた技術者なら論文の型を覚えれば筆記試験対策は終わりです。1日で勉強終わりです。
口頭試験についても「成果物(あなたの業務内容の詳細)に対して、お客様の質問に答えられますか?」と聞かれています。
評価項目に添った回答が必要なので注意は必要ですが、そこまで身構える必要はないのです。

そして、最初に書きましたが運の要素が強いです。
不合格でも過度に落ち込むことは無いですし、試験の性質から勉強してきたことは貴方の業務に直結することばかりだと思いますので、無駄になることはありません。

資格試験は受かってナンボですが、落ちたからと言ってその知識が無くなる訳ではないです。
古くて恐縮ですが「筋肉が裏切らない」のならば、勉強だって当然裏切らないです。

成瀬は信じた道をいく 著者:宮島未奈 出版:  新潮社

初版2024年

2024/3/12


前作の「成瀬は天下を取りにいく」が面白かったため、購入。
基本的に本は中古で購入していましたが、人気作で新しい本であったことから、手ごろな価格で入手できなかったため書店で購入。

 

今回は、成瀬の高校3年生から大学1年生までの話です。
前作が中学生活と高校生活でしたのでその続きです。
行動や交流の範囲が広がりスケールアップしています。
前作以上に成瀬が何をするのかと、ワクワクしながら読むことができます。