1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE 著:ヒトデ

初版:2024年9月

 

とても示唆に富んだ本でした。

FIREしても、やる事が無く退屈。人への貢献も感じず、幸せにはなれない。

 

私も僭越ながら同じことを考えています。

資産所得で生活できたとして、退職後にその資産が減っていくことに耐えられるか。

仕事をしていれば無茶ぶりや苦手な人とのコミュニケーションなどもあるが、それが強制成長装置になっている。充実感を味わうことも無くはない。仕事をしなかったら人との接点がなくなったら、どうなるのか。と。

 

著者は30歳前にFIREした実体験から書かれているようです。

FIRE後もどうせ多くの人が仕事をする。(仕事をしないのは没頭できる趣味等がある特別な人だけ)

ただ、その仕事は給与の高さを考慮したFIRE前の仕事ではなく、自分が本心からやりたい仕事であるはず。

であるならば、適度な資産を達成したら、本心からやりたい仕事に注力すべきである。

例えば、月の生活費が20万円だとするならば、資産所得で全額確保しようとするとFIRE達成は困難である。できたとしても時間がかかる。

であれば、10万円を資産所得から、残りの10万円を「好きな」仕事から稼げばいい。

最初から好きな仕事で食べていけるならば、資産が無くとも、それはFIREしているのと同じである。(FIRE後も結局、好きな仕事をしているのだから)

 

個人的な所感として、好きな仕事が漫画家だとして、金にならない場合に資産所得のサポートが必要になってくると思うが、

STEP1:主の仕事+副業(漫画家)で、主の仕事で資産を確保していく

STEP2:資産がたまったら、資産所得+漫画家

のイメージである。最初は金になる仕事が必要だと思うが、そこは仕方がない。

 

多くの人は仕事が嫌いなのではなく、今やっている仕事が嫌いなのだ。

仕事の好き嫌いは業務内容の具体的な作業から決まる。

例えば、営業とか設計とかではなく、人と話すのが嫌いではない、数字を扱うのが苦にならない、とかそのレベルで選んでいくと、「嫌いな仕事」に就く可能性が減る。

 

本書は為になったが、1点だけ改善案がある。

それは、著者が若いためか、40代以降の人がほぼ出てこないことである。

FIREの定義として本当にearlyを設定しているようだが、一般的には仮に50歳でFIREしたとしても十分にすごいことだと思う。むしろ、定年後も働く人も多いことを考えると、55歳や60歳で仕事をしなくても生活できることは十分に豊かなことだと思うし、著者が指摘した仕事を失うことへの寂しさを感じ、むしろ早い時期での退職を望んでいない人も多いと思う。

主人公も最初はインデックスの積み立て投資でFIREを目指していたが、比較的高齢でFIRO(old)したパターンもあったなら全世代型の本になり参考にもなるので、その点があれば更に良かったと思う。

 

 

大学教授こそこそ日記 著:多井 学

初版2023年12月

 

アカデミックの世界に進んでいる知り合いも多く、興味深く読めた。

本書は国際政治を専門とする教授の話だが、研究に関することがほとんど出てこなかった。図書館とか書籍を取り寄せるとかそんな話である。

私は理系なので、実験してデータを分析して研究論文を読んで・・・などをイメージしていたが、おそらくおなじ大学教員でも研究内容で全然違う世界なのだろうなと感じた。例えば、同じ営業職でも扱う製品で全然違うように・・・

 

本書で学んだことは、

・大学職員は博士課程を取って一人前。

・文系の大学教員は本を書かないと博士を取れない。

・博士になっても、大学教員になれるとは限らない。というかなれない人の方が多数。

・大学職員といっても、短大・無名私大<国立大<有名私大と給与は違う。

著者は短大→国立大→大型私大と着実に年収を上げているようですが、最初の短大と最後の大型私大では、年収は4倍以上違うように読めた。つまり300万円と1200万円。

・昇進したら降格はない。教授になったらそのまま。(研究も何もしない人もいるらしい)

 

大学教授への憧れはあるが、なるまでの競争が激しすぎると思う。

民家企業であれば、第一志望がだめだったら、中小企業に入るなど対応できるが、研究者はリカバリーがしづらい。〇〇大学がダメだったら、短大や高専へなど単純な話ではなく、その分野の研究者の募集が無ければ挑戦すらできない。

そして基本的には降格もクビも無い世界なので、席が空くかは運次第のところもある。

さらに言えば、これから少子化が進み、少なくとも日本では大学の数も減るはずである。

ただし、一度なってしまえば、一転して競争が無くなる。そんな世界と理解しました。

個人的に、40代で非常勤講師をしている知り合いもいますが、明るい未来を描けているのか・・・と感じました。

大学教授こそこそ日記

大学教授こそこそ日記

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やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ 著:ジョン・ストレルキー

正直、一読した限りでは、やりたいことは当然見つからない。

車で運転中の主人公が、迷って途中で立ち寄ったカフェのメニューに書かれた3つの質問に対して自分なり回答していく形で物語が進みます。

なぜ、あなたはここにいるのか?
死を恐れているか?
今の人生に満足しているか?
 

は人生の目的
何をしたいのか?自分で選んでいるのか?

はやりたいことをやらずに終わることへの恐れ
やりたいことを後回しにしていなか 

日々に満足しているか
給与や見栄など他人基準の成功を追っていないか

 

これらについて自問自答して、答えを見つけていくことになります。

 

そのために、必要になるのは経験や知識だと思います。

食べ物の好き嫌いだって、食べたことのないものは判断できません。

ただ、食べたことない料理であっても、果物や砂糖がかかっていたら甘い、真っ赤で唐辛子の乗ったものは辛い、など知識と想像でカバーできます。

 

自分のやりたいことは、様々な経験をして自分の好みの方向性を見出す。

大きなものがすきor嫌い、体を動かすのがすきor嫌い、などなど何でもいいと思いますが、これらを多数用意する。

これらの経験と、人から聞いた話や本やテレビなどを組み合わせることで、やりたいことがみつかるように思います。

 

ケアマネジャーはらはら日記 著:岸山真理子

2021年7月初版

 

いつか自分もお世話になるであろう、ケアマネージャーの話。

著者は、自己判断ではあるが多動症であり、学校の勉強はあまりできず40を過ぎるまで正規の職には就けていなかった。

本人の努力をしていないわけではなく、特徴として社会に受け入れられない辛さが伝わってきました。

もっと美形だったら、もっと痩せてきたら、もっと社交的であったら、もっと、もっと、と誰もが一度は思うだろうが、やはり受け入れられないのは辛いものです。

 

その後、ケアマネージャーとして正規職につき、やりがいをもって働かれて認知症など生活が難しい方のためにと頑張ってこられました。一読者としてもこれまでの苦労が報われたような気がしました。

ただ、色々職場を変えられ、いい職場もあったようですが、パワハラのような扱いを受けることもあり、こちらでも読んでいて苦しいものでした。

ケアマネジャーといっても方針がいろいろあるようで、利用者の利益をあまり考えない人もいるようです(ケアマネ全員が想いや知識がある訳ではない。利用者として納得できなかったらセカンドオピニオンを!)

 

人生は不平等なものだけれど、少なくとも誰もが敬意をもって扱われるべきだと思います。弱者であればなおのこと。

もし、私が認知症などの弱い立場になったとき、著者のような想いをもった人、苦労をして生きた人に担当になってもらいたいと感じた。

著者は執筆時点で65歳を過ぎていらっしゃったので、もう引退されているかもしれませんが、これまでに助けられた人は多かったと思います。

 

桐谷さんの株主優待ライフ 著:桐谷広人

初版:2013年10月

 

株主優待の銘柄等は余りでてこないです。

著者のこれまでの半生が飾らずに書かれていて、非常に面白いです。

 

その人の一面だけ見ていては分からないこともあります。

今の楽しそうな?桐谷さんを見ていると、かつてリーマンショック時の信用取引で眠れないほど苦しんだり、プロ棋士になるまでの苦悩、なってからの状況など、苦労されてきたことがうかがえます。

特にプロ棋士になることは、東大に入るよりもずっと難易度が高く、すごいの一言ですが、やはり厳しい世界のようで桐谷さんはC級から上がることなく引退になったそうです。

資産も当初3億円(!? なぜこの資産があったのかは記載ありません)から、リーマンショックで5000万円まで1/6になったり、棋士としても思ったように活躍できないこともありました。

ただ、執筆当時にご自身の半生を振り返って、今はテレビや執筆、株主優待生活などで楽しいとしています。最後に「人間万事塞翁が馬」で締められています。

江頭2:50も嫌われ芸人でテレビの番組の終わりから仕事も減った状態だったが、今では人気Youtuberになり、同じ内容のことを言っていたようです。

 

芽が出ず苦労が多い日々であっても、人生何があるか分からない。

逆に、驕れるもの久しからず、でもあると思います。

 

希望のある良書でした。

 

今日からFIRE! おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術 著:おけいどん

初版20213

 

47歳で資産1億円を築き、FIREを達成されました。

本書には投資する銘柄の選び方なども書かれていましたが、少し古い本でもありそこは別にという感じですが、著者には魅力を感じました。

著者は普通のサラリーマンですが、若いころから堅実に投資を続けてこられました。

若いころは出世を目指し頑張ったそうですが、体調を崩したこともあり早期退職したそうです。

FIRE前も短時間勤務で感情的にも慣らしながら堅実に退職をしたようです。FIRE後はブログの執筆や稼業の手伝い、配当金などで資産を取り崩すことなく、年金受給額も把握して準備されています。

災害、事故、病気などリスクはもちろんあるでしょうが、備えには切りがないので、著者は十分準備していると感じます。

 

人生なかなかうまく行きません。

・本当は大企業に入りたかった。

・本当は昇進したかった。

・病気をしたが、本当は元気に働きたかった。

・子供や育児があったが、できれば仕事に全力を出したかった。

・夫(妻)の転勤についていったが、残っていたらどうなっていただろう。

・会社が潰れてしまったが、本当は前の会社で長く働きたかった。

・職場の人間関係に恵まれなかったが、できればうまくやりたかった。

・・・挙げれば沢山でてくると思います。

 

希望する会社で、希望する仕事を、よい人間関係の中で、順調に昇進していくことは、全く普通ではないです。超ラッキーです。

自分に非はなくともどこで躓くかは分かりません。

そんな時に確実に支えになるのがお金であり、普通の人が確度高く資産を積み上げられうる有効な1つが投資だと思います。

 

タイトルのとおり、40歳からでも老後の準備は可能です。著者と同じく1億円を設定して25年を要したとしても65歳です。長期の資産形成は難しいかもしれませんが、生活の考え方については、70歳でも80歳でも参考になると思います。

こういった人生に触れることができる本は非常に参考になります。

 

新・臆病者のための株入門 著:橘玲

初版:2024年10月

 

2006年に発行された「臆病者のための株入門」の続編。ただ、内容の8割くらいは前作と同じでした。20年前と株式投資の考え方が変わらないためです。

当方も株の取引や読みやすい本は何冊も読んでおり、「普通の人」向けの結論はもう出ていると思われます。

それはすなわち、「手数料の安いインデックスの世界株(もしくは米国株)に長期で投資せよ」です。本書は他の手法のメリットデメリットも含め、分りやすく説明されています。

 

今回の新版でNISAについての記載が増えています。

ここではNISAを解約してマイホームの頭金にすることについて「非」推奨しています。

私の意見としても、10億円もっている人なら、そのうちで1億円の家を買うなら資産の10%を不動産に充てていることになり、それは問題ないかと思います。

ただ、普通の人にとって、家を買うことは、ローンを組んで(借金して)買うことになり、それはレバレッジをかけた不動産投資の一点集中投資と同じでありリスクが過剰です。

私は、マイホームを購入することは否定しませんが、その場合、不動産のしかも1宅(1室)に集中投資していると考えるべきかと思います。その場合は、リスクを十分とっているので、その他の資産は債券などの比較的安全な資産で運用されるのがいいかと思います。

著者も不動産に投資したいならマイホームよりも分散できるリートにし、NISAでリートに投資して、その分配金で家賃を払った方が合理的との主張でした。

 

その他、デイトレードやバフェット流の個別株の長期投資など、それぞれについて著者の考えが書いてあり参考になりました。

どこの証券会社のどの投資信託か、など具体の話はありませんが、これから投資をする人の基礎知識としてはとても良い本だと思います。

 

 

なお、知識不要と呼ばれるインデックスへの積み立て投資であっても、私は明確にビギナーと中級者の違いがあると思います。

それは、握力の違いです。株価の暴落は必ずいつかはおきます。大きく下がることも頻繁にあります。その際に、安心して眠れているか、狼狽売りすることがないか、が重要になってきます。

知識量や経験に裏付けられた株式市場パワーがないと、ここで振り落とされます。

書籍は知識をサポートしてくれるため、本で様々な知見を得ることに無駄はないと考えています。