年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活 著:小林美希

2022年11月初版

 

年収443万円は日本の平均年収です。

個別の世帯の年収や家族構成から、各々の生活状況が書かれています。

平均は中央値よりも高く、年収だけで見れば半数以上の方が「平均以下」になります。

個別では資産があったり、助けてくれる親族や友人がいたりと年収だけでは評価できないこともあるかと思いますが、ここに登場する方々は皆さん質素な暮らしをしていたり、もうすでに生活保護を受けた方がいいのでは・・・と思える方もいます。

 

著者自身は1975年生まれの就職氷河期世代。一流と呼ばれる高校、大学を卒業されましたが、やはり就職はじめ苦労されたようです。

一方、社内ニートという言葉があるように、働かない人が歪に守られている社会でもあります。

障害や病気等で働けない人のサポートはあるとして、労働や能力が正当に評価されて、窓際で座っているだけの人よりも、今ワーキングプア状態でもがいている人の方が正当な報酬が得られるような社会になってほしいです。

 

しかし、選挙や購買などで意思を投じていくのはやっていくとして、時間がかかります。

当面の自衛の手段として、やはり知識は重要だと思います。

どのような公的サポートがあるのか。

その支出は本当に優先度が高いのか。

収入が高い職を得るにはどうすればいいか。

育児や介護など様々な制約がある中でこれらをできる限りやっていく。

 

今、成功している人は自分が努力して勝ち取ったと思っているかもしれませんが、多くの人は虐待を受けていた訳でもなく、ヤングケアラーだった訳でもないと思います。

努力はしたのでしょうが、相当に「運が良かった」ことを自覚して、せめて納税くらいはしてください。

 

 

派遣添乗員ヘトヘト日記――当年66歳、本日も“日雇い派遣"で旅に出ます 著:梅村 達

2020年2月初版

著者は学習塾講師やライターを経て、50歳から添乗員になったそうです。

添乗員の世界は、予想通り?かなりハードなようです。

多くの添乗員は?旅行会社の社員という訳ではないようで、業務毎の都度清算とのこと。

最も重視される能力は、精神的肉体的タフさ。クレームは当然。

観光地とか海外とか色々行けて楽しそう。との軽い気持ちから入ってくる人は多いらしいのですが、金銭面を含め様々な辛さから出ていく人も多いそうです。

 

印象的だったのは、添乗員になって(著者曰く、弱い立場になって)、人の本来の姿が見られるようになったとのこと。お客さんからはもとより、発注者である旅行会社の社員からも軽く扱われることもある。しかし、その一方、礼儀正しくされることもある。

これまでは、塾講師で偉そうにしていたため、気づけなかったとのこと。

そう考えると、皇族の方々などはテレビではどのような立場の方にも身を寄せ、決して偉そうにせず好感がもれるだが、実態はどうなのだろう。

よく言われるのは、長く売れてる毒舌芸能人は(自分が受注者側であることを理解し)、カメラがまわっていない時には非常に腰が低く人当たりがよい。仕事のキャラとして印象を悪くしているのはカメラの前だけ。

一方、議員さんは真逆で、カメラがまわっている時だけ人当たりが良く、自治体職員などに対しては高圧的な人が多いと聞きます。

 

添乗員も人気の仕事と聞きます。

現場のリアルが書いてあるので、興味のある方は一読しておくと転ばぬ先の杖になりますし、ツアーに参加する側としても添乗員の立場など(添乗員の裁量ではどうにもできないこと等)を理解しておくとストレスが少なくなったり優しくできたりして、より旅行が楽しくなるかもしれません。

 

人生はおもしろがった人の勝ち 著:萩本欽一

2018年4月初版

 

自分は運がよかった。自分はバカだ。

こう言い切れる成功者と呼ばれる人は少ないかもしれません。本書を読んで、愛されているのが少し理解できました。

 

 

自分も仏教に興味があって高齢になってから大学生になった著者に興味があり本を手に取りました。

70歳を過ぎての大学生。さぞ深い意味や考えがあってのものと思っていましたが、その理由は「少しボケてきた」ため。だそうです。

ボケるということはマイナスになるということ。だからそれ以上にプラスがあればいい。→勉強しよう!

そして自分は言葉を知らない。仏教には言葉が多い。→仏教を教えてくれる大学に行こう!

となったそうです。

 

考え方は非常に独特で、運は遠くにあるとの持論をもたれています。

宝くじも家の近くではなく例えば沖縄で買うと当たりやすい?とか。

自分から遠いもの(時には嫌だなと感じるもの)の方が運があると。

そして運と不運は半分半分。例えば仕事で運があるときは、女性にはモテないとか。

 

そして、色々な人とつながりがある。

自分のようなコミュ障にはレベルが高いですが、憧れます。

運が良くなるのも理解できます。自分にはレベルが高いですが、少しでも近づけるように「遠くに」を意識してみます。

 

 

仕事の辞め方 著:鈴木おさむ

2024年1月初版

 

本書は、30年以上続けた放送作家を辞めるに際し考えをまとめたものです。

 

仕事に対する辞め時などの参考になること多いと思います。

仕事を辞めるかどうか悩んでいる人はヒントになることも多いと思います。

 

・自分の先が見え(出世ができないと気づき)、出世レースから降りたとき憑き物が落ちたようになり、なぜかマラソンを始める人が多い。

・仕事にワクワクしなくなったら辞めるサイン。ワクワクしない仕事に費やすほど人生は長くない。

・姉の子ども(甥っ子)に重度障害があるそうで、15歳で初めてウンチができて、姉が泣いて喜んだそうです。そのころ、自分の子どもが2歳で言葉が遅れていて何とかしようとしたそうです。姉のLINEから、幸せの形は人それぞれで比べること自体がナンセンスだと気づき反省した。

・お金に執着するとそういう人生になる。

・40代から老害は始まっている。

ただ、これは放送作家という職業柄のことだと感じる。アイデア出し等が特に無い、例えば、分析や保全等の業務であれば関係があまり無いと思います。

※記憶で書いていますので間違いもあるかと思います。

 

 

年収300万円からのFIRE入門 最短でお金・時間・人間関係から自由になる 著:西野 浩樹

2022年2月初版

著者は1973年、金沢市生まれ。スーパーに入社してベーカリー部門に勤務。

タイトルの年収300万円はこのスーパーの収入ですが、その他にもブログやファイナンシャルプランナーとしての講演もあったようです。主に不動産投資でFIREを達成した方です。

FIRE後の情報も詰まっていて、NISAなど2026年現在では少し古いものもありますが、税の関係など特に不動産でFIREする方には参考になることも多いと思います。

ただ、比較的少ない年収でFIREとか資産1億円とかに達しようとする場合、どうしたって副業や投資が必要になってきます。

これまでサラリーマンの節約だけでFIRE達成者は聞いたことが無いですし、大きな資産を築いた人も何かの動画で1人だけでした(その方は株などへの投資をせず純粋な貯金だけで1億円近くの資産を貯めたらいしです)。

 

副業か投資、多くの人はその両方をやっています。

本書の著者も、サラリーマンとしての収入は多くないかもしれませんが、副業を行い、不動産投資でFIREを達成されています。

 

また、これまで本を読んできて、FIRE達成者の多くの人が「危ない目」に合っていました。本書の著者も当初はギャンブルを行ったり、投機的な投資で大きく損を出したりと書いてありました。

そう考えると、成功者バイアスと言うか、たまたまうまく行った面もあるかと思いますが、同時にリスクを取らなければ大きな金額を得るのは難しいことを示しているのかと思います。

 

 

1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活 著:絶対仕事辞めるマン

2024年3月初版

著者はブラック企業に就職しましたが、そこから主に貯蓄と運用とで、20年ほどで1億円を達成しました。執筆時点では46歳とのこと。

名前の通り、ブラック企業を辞めるために蓄財を始めました。

 

今の若い方なら、もしかしたら嫌なら辞めたらいいのにって思うかもしれませんが、氷河期世代です。

当時は、長時間残業で残業代出ない企業は普通にありましたし、転職もずっと難易度が高かった時代です。

そこで、蓄財がスタートしました。

資産額ごとの状況が記載されており、またリーマンショックも経験しており、参考になる方も多いかと思います。

コロナショックについてはほぼ記載がなかったと思います。やはり、リーマンショックを経験している人にとっては、その時の資産の分配状況によるとは思いますが、そこまで大したことないことだと感じるのかと思います。

 

本書によると1億円達成した現在も会社に籍はあり、今は早期退職の割り増し退職金狙いとのこと。(肩たたき待ち)

 

結婚も一度は考えたそうですが、当初付き合っていた彼女に、早期退職の概念が伝わらず(ただの無職になると思われたそうで)働かないなら結婚しないとのこと。

結婚よりもFIREを選んだそうです。

その割には今も会社勤務しており、著者は非常に慎重な人だとお見受けすることもあり、FIREするにも勇気というか、きっかけが必要なのだなと感じました。

 

文章は固くなく、楽しく書かれています。

生き様が参考になります。

 

 

どん底サラリーマンが株式投資で2億円 いま息子に教えたいお金と投資の話 著:DokGen

著者は(ご自身が言うには)3流の大学を卒業後、食品メーカーに勤務されました。

話の流れ的におそらく大手の企業だと思います。

その後、結婚して子供が生まれましたが、離婚。

父子家庭となり、育児のため、時短勤務の定時退勤という状況になりました。

働き改革前。ちょっと厳しい状況だったと想像しますが、今では管理職になって部下もいるそうです。

 

このような人生が書かれた本は参考になりますが、気に入らない点があります。

これは著者というよりも編集のせいかもしれませんが、話を大きく見せようとしている点です。

例えば、帯には全財産90万円とありますが、これはほんの一時的な状況です。その状況はおそらく1か月もなかったのでは?と想像します。

あと、収入を低く見せたいためか、(こんな年収の低い私が2億ですよと言いたいためか)、年収ではなく、「手取り」年収で書かれています。

例えば、手取り年収400万円とか。

税や社保を考えるとおそらく500万くらいはもらっており、残業なしで比較的若いときにこれだけもらえてれば、そこそこ良い方だと思います。

 

こういった、気に入らない点はあれど、その後再婚して子どもにも恵まれた点などもあり、うまくいった例だと思います。

 

著者は集中投資で財を成しています。相当なリスクをとってこの資産になっています。

そして、本になるくらいレアケースです。

※本にもいろいろありますが、基本成功者しか本は出せませんし、成功者はレアです。

 

失礼ながら著者は勉強したとも書いてますが、専業投資家でもなく、自分から見ても普通の範囲の勉強だと思います。

ただ、多くの人がその普通の勉強ができていないため、結局は普通でなくなった?のか??

本書ではないですが、普通にやって時間をかければ数千万円の資産にはなるとも聞きますし・・・

 

話がそれましたが、通常は大きくリスクをとった場合、経済的には厳しい状況いなります。こちらが多数派です。

 

もちろん著者が努力はされたことは感じますが、率直に言えば、運に相当に助けられたように感じました。

2億を超えた現在は、配当株にも注力されたり、太陽光発電などにも資産を分散もされているようで、守備力は高いように思いました。

 

失敗することも、リスクをとることも必要だと思いますが、自己責任で。

仮に最悪のケースになったとしても、なんとか生活できるレベルのリスクにしてほしいですし、自分の場合それがどの程度のリスクなのかが分かることが初心者から「投資家」になる第一歩だと思います。