52ヘルツのクジラたち 著:町田そのこ 中央公論新社

本の評価:★★★☆☆:一気読みは難しい。時々心の整理のため読書を中断。

評価基準

★☆☆☆☆:買ったことを後悔する

★★☆☆☆:部分的に面白い所もある

★★★☆☆:面白い

★★★★☆:とても面白い

★★★★★:保管して読み返したくなる

※独断と偏見です。

2020年初版

2023年2月5日記載

 

中古で購入。

2021年の本屋大賞1位ということで読んでみました。

主に虐待を受けた孤独な人のお話しです。超薄っぺらい表現になっていますが、中身はもちろんちゃんとしてます。

著者は「52ヘルツのクジラ」をどこで知ったのか。

私はクジラの声の周波数なんて気にしたことありませんでしたし、「その存在になかなか気付かない」という点からも、良い題名だと思いました。

 

本書を読んで、親であるという自分の状況もあり、加害者側の方に意識が行きました。

加害者には何もできないのか。

加害者は自分が何をやっているのか認識できているのか。

被害が少ない内に被害者を助けることはできないのか。

加害者も孤独だったのではないか。加害者側へのケアはないのか。

今の日本にこのような辛い状況にある人たちがどれほどいるのか。

 

虐待ではないにしろ、色々な理由で孤独に感じている人はいると思います。

読んでいて気持ちが良い本ではなかったですが、希望のある本だとも思いました。

今も苦しんでいる「52ヘルツのクジラ」の方々に本書が届くといいなと思います。

多くの人に届くという意味で、映画化してほしい小説だと思います。