LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略 著者:アンドリュー・スコット/リンダ・グラットン 出版:東洋経済新報社

本の評価:★★★☆☆: 前著ライフシフトと同じメッセージ

評価基準

★☆☆☆☆:買ったことを後悔する

★★☆☆☆:部分的に面白い所もある

★★★☆☆:面白い

★★★★☆:とても面白い

★★★★★:保管して読み返したくなる

※独断と偏見です。

2021年初版

2023年3月7日記載

 

何年か前に前著ライフシフトを読んで新たな気づきがあったため、2も読んでみました。

 

本著のキーワード
本書のキーワードは「長寿命化」この一言に尽きます。
長生きのために、生き方が変わる。特に、働き方が大きく変化し、学習の重要性が高まる。若い人はもちろんですが、高齢の方が読んでも参考になることが多いと思います。学習意欲を高めたい方にもおすすめです。

 

ライフシフト1
前著ライフシフトで今も覚えているのは、以下の通りです。


・「一般の人の就業期間>一般の企業の寿命」。転職は必須になる。
 22歳で働いて60歳で定年。38年間。
 普通の企業は38年も存続しない。平均10年以下で潰れる。よって多くの人は好むと好まざるとに関わらず転職をする。


・寿命が長くなるので、働く期間も長くなる。
 寿命の延びで今後100歳まで生きる可能性が高くなってくる。定年後40年もあり、一般の人は年金だけではなく働かないと暮らせない。70歳や80歳まで、もしくはそれを超えて働くのが一般的になる。

 

・長期間労働とテクノロジーの進歩により、学び直しが必要になる。
 仮に70歳まで働くとすると、約50年の就業期間がある。その間、技術も進歩するし衰退する産業もある。よって、学び直しが必要になる。

 

ライフシフト2で印象に残ったこと
 本書には様々な国、性別、年齢の人が登場します。長寿命化は全世界的に進んでいることなので、大きな方針として話は通ります。日本で本が売れたため?か、本著には代表例として日本人も登場します。ただ、各国で文化・政治・宗教が異なるので、本著ライフシフトに基づいて、誰かに日本に特化した場合の提言を書いてほしいと思いました。
 日本は先進国中最も大きいと言われる男女差別があります。また、世界トップの長寿少子化国であり、他国と事情が異なることも多いと思います。各々の国の事情に適した働き方があると思います。ファイナンシャルプランナーとかの領域に近くなりますが、個別具体の話に近い本があると有効だと思いました。

 

もし自分だったら
年代ごとの対応を、お金と仕事で分けて書きます。

 

20代だったら
・お金:まず、半年分の生活費の貯金を最優先させます。いざという時の保険代わりです。貯金ができたら、小額から投資します。全世界株か全米の投資信託です。
ただ、飲み会などの無駄遣い?も積極的にします。
・仕事:サラリーマンになるとは思いますが、それと並行して副業を始めます。
仕事は3年~5年で辞める前提で、経験が積めそうな(面白そうな)会社に行きます。

 

40代だったら
・お金:年収に応じ、全世界株か全米の投資信託の額を増やします。少し債権も入れます。子供がいれば学費用に貯金を継続します。学費は運用せず現金貯金にします。
・仕事:40代であっても必要に応じ、特に自分が斜陽産業に勤めている場合は、転職を考えます。プラスして副業をします。副業は初期費用や在庫の極めて少ないこと(例えばYou tube、ブログ、スキルの販売)などを行います。副業としての収入はゼロでも構いません。副業で失敗を繰り返しながらスキルを磨いていきます。

 

60代だったら
・お金:基本は40代と同じです。債権の割合を増やします。場合によってはゴールドも入れます。
・仕事:体調に応じて、仕事の量を減らします。お金に余裕があれば、お金というよりも自分の興味や社会貢献性で仕事をします。余裕がなければ、40代に近い働きをします。副業が育っていれば、そちらを収入の柱にします。副業をしていなければ、これから始めます。なお、60代だから新しいことを始められないと思う人は、そこでリタイアです。新しいことができないならば、年齢差別ではなく本当に能力が低いと扱われても仕方がないと感じます。

 

80代だったら
・お金:債券を中心に運用しながらの取り崩しを行います。
もし資産が育っていなければ、年金の範囲内で生活します。年金は増えませんが、生活コストは下げる余地があります。苦しければ生活コストの低い地方などに移住も検討します。
・仕事:副業を本業にして趣味のように仕事をします。健康ならばパートタイムの業務をしても良いと思います。

 

人生100年時代。もし、80歳からバイオリンを習っても、十分に上達するでしょうし楽しめると思いますよ。