第3種下水道技術検定 体験記

第3種下水道技術検定の戦略について

 

2022年の試験を受けました。

自己採点の結果、2022年の試験に53点でした。合格発表は12月ですが、恐らく合格していると思います。

これから受験する方の参考になればと思い戦略を記載します。

 

学習の開始時期

試験の3ヶ月前に始めるのが良いと思います。

早いに越したことないですが皆さん忙しいでしょうし、余りに早くから準備すると飽きるためです。8月ごろから学習開始が良いと思います。

 

教材

過去問の購入
参考書ではなく、過去問を1冊購入してください。過去5年間以上掲載されているものであれば、何でもよいです。
また、最新のものでなくとも構いません。中古で何年か前に出版された問題集で学習しても良いです。私も2017年に出版された過去問集で学習しました。

中古の過去問でよい理由は、下水道の技術は比較的変化の遅い技術だからです。下水処理場の設備は10年前、20年前のものが当たり前で、基本的な考え方は昔から全然変りありません。これが、IT業界やファッション業界ならば最新のものを使う必要がありますが、下水道技術はそうではありません。
とはいえ、10年以上前の問題集になってくると、機器の効率や、法規制の変更も多少あるため、新しいに越したことはありませんが、中古なら半額以下で買える場合もあります。

 

学習法
過去問を解く。過去問で学ぶ。
使う教材は過去問1冊です。集中力が続かないのと隙間時間を活用しやすくするため、1問解いて、すぐに答え合わせしてください。

① 過去問を解いて、正解(理解できた)場合。
試験まで半年以上あるなど特殊な場合を除いて、もう二度と解く必要はありません。できたことが分かるよう、問題に「できた印」をつけておいてください。
なお、たまたまあてずっぽうで正解した場合は以下の②の扱いになります。

② 過去問を解いて、不正解(理解できなかった)場合。
ここが重要です。
・解いた日付を問題集に書き込む。
・解説を読んで理解できた場合。
それで終わりです。次の問題に進んで下さい。
そして、2週間以上間をあけてもう一度同じ問題を解いてみて下さい。そこで正解だった場合は①と同じ扱いになります。
・解説を読んで理解できない場合。
分からなかったところをネット検索してください。例えば、CODが分からなかったら、「COD 下水道」、遠心濃縮機が分からなかったら「遠心濃縮機 下水道」と検索し、用語の意味や、設備のイメージをつかんでください。
※ここが非常に重要です。この地道な作業を繰り返すことが合格につながります。
なお、学習の後半で2週間以上間をあけられなかった場合は3日とかでも問題ないです。最後の方は解くべき問題が少なくなり、このようになります。


やりこみの目安
過去問の90%に「できた印」がつけば合格するだけの力がついたと思います。
ここで、100%にしないのはコスパが悪いためです。自分にとって相性の悪い問題は、学習までに時間がかかるため捨て問題にします。

第3種下水道技術検定は、水質、法規、設備、運用、保全、安全、法規など非常に多岐に渡る問題が出ます。しかし約7割の正解で合格できますので、自分が不得意な分野は捨ててしまうのが良いと思います。

また、ネット検索と解説を読むことで深い知識を得ているはずですので、90%に「できた印」がつけば十中八九合格レベルにあると思います。
逆に、コスパ重視でいくなら80%くらいまで「できた印」でも合格できるかもしれません。不合格の可能性は高まりますが、学習時間は短くなります。
ただし、70%「できた印」にすると、不合格の可能性はぐっと高まりますのでお勧めしません。合格点が7割のため、過去問で7割ならば本番は6割くらいになる可能性が高いためです。


学習時間の目安
人によって違います。なぜなら、「できた印」がつく時間が人によって違うからです。70%の「できた印」でチャレンジするのか、90%まで頑張るのか。
もともと下水道関係の仕事をしていて、勉強しなくとも半分くらいは既にわかる状況なのか、まったく初めての業界なのか。

とはいえ、目安が欲しい人もいると思いますので、サンプルの一つとして自分の場合は約50時間でした。ある程度の前知識はあり、7年分の過去問で90%まで「できた印」つけました。

 

受検時の注意点

試験時間が3時間と長いですが、終了時間まで在席していないと問題を持って帰れません。

試験開始から1時間で退席できますが、私の試験会場では10%くらいの人が帰りました。

解答と試験問題は試験日の次の水曜日に、ホームページで公開されました。


最後に

資格試験は合格してなんぼです。
しかしながら、試験は運も大きく作用します。残念ながら不合格だった方も、結果はどうであれ、学んだ知識や勉強法はきっとどこかで貴殿を助けてくれることと思います。
下水道関係の業務をされている方は、危険な箇所もありますので、身を守ることにつながりますし、業界関係の方との打ち合わせや調整にも役立つと思います。

 

今後の皆さんの何らかの参考になれば幸いです。