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Ⅱ-2-2
太陽電池は、p型とn型の各半導体を表面同士で接合し、この反対側の両側面に電極を張り付けることで構成されている。ここで半導体には光照射で電子と正孔が1対で発生する性質がある。電子はn型半導体に、正孔はp型半導体に引寄せられ電極に集められる。両電極に外部回路を接続することで電流が流れる。これを背景に、以下の問題に答えよ。
- 太陽光発電の設備構成を連係まで述べよ。
- 単位面積当たりの発電効率を向上させるための発電効率を向上させる技術的課題と解決策を述べよ。
- 太陽光発電パネルの低コスト化、小スペース化、高強度構造化について述べよ。
- 太陽光発電の保守を立案するにあたって留意すべき内容とリスクを述べよ。
- 太陽光発電の設備構成と連係について
設備構成は下図の通りとなる。
各設備の目的を以下に記載する。
・太陽電池:光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
・接続箱:太陽電池の各ストリングで発生した電力を一つにまとめる。
・パワーコンディショナ:太陽光で発電した直流電力を一般の機器で使用できる交流
電力に変換する。電力系統に接続できるよう系統の電気方式
・分電盤:機器等の電気負荷へ分配する
・電力量計:総発電量から使用分を差引いた電力量と、購入した電力量を計測する
2.単位面積当たりの発電効率を向上させる技術的課題と解決策について
課題:太陽電池モジュールは日光によって温度が60℃以上に達することがあるが、太陽電池は温度が上昇することで、効率が低下する。
解決策:高温になる地域では、温度による効率低下の影響が少ないアモルファスシリコン太陽電池を用いる。
3.太陽光発電パネルの低コスト化、小スペース化、高強度構造化について
低コスト化:太陽光パネルの低コスト化には、セルの材料・製造コストを低減する方法と、セルの発電効率を増大する方法がある。現在主流の結晶シリコン太陽電池セルでは、製造方法も発電効率も限界に近付いているため、大幅なコスト低減は望めない。大幅なコスト低減を目指すならば、化合物太陽電池セルや有機太陽電池セルの研究開発が必要となる。
小スペース化:フィルム基板型太陽電池は軽く曲げることが可能である特徴がある。よって、従来のガラス基板型太陽電池では、設置が難しかった曲面上に設置することでスペースを有効に活用できる。
高強度構造化:強化ガラス基板を用いる。また、万一ガラスが割れた場合に備え、樹脂により接着させガラスの飛散を防ぐ。
4.太陽光発電の保守を立案するにあたって留意すべき内容とリスクについて
太陽光発電システムにおける故障の割合は、パワーコンディショナが最も高い。パワーコンディショナが故障した場合は修理までの期間、太陽光発電による電力が使用不可となるリスクがある。保障期間を長くとる・修理期間を短くする(交換用部品を常備しておく)ことで顧客に立案する。