クレーン・デリック運転士(クレーンに関する知識)

ジブの傾斜角:ジブの中心線と水平面のなす角

スパン:走行レール中心間の水平距離

ホイスト式天井クレーン:走行、横行、巻上げができる

引込み:荷の高さを一定に保ちながらジブの根元に引寄せたり遠ざけたりする。

 

・天井クレーン

 鋼塊クレーン、鍛造クレーン、レードルクレーン、焼入れクレーン、

 ストリッパクレーン(製鉄で使用)

 スタッカー式天井クレーン(倉庫で使用)

 

・ジブクレーン

 引込みクレーン、つち形クレーン

 スイングレバー式引込みクレーン(造船所で使用)

 クライミング式ジブクレーン(高層ビルで使用)

 ダブルリンク式引込みクレーン、塔形ジブクレーン

 

・ケーブルクレーン:(ダム工事、橋梁の架設で使用)

 

・アンローダ:船からの陸揚げ

 

・天井クレーンのガーダの形状

 トラス、ボックス、プレート、Iビーム

 

・クレーンの構造部分

・天井クレーン

 クレーンガーダは、トロリが横行する両端を支えられた「はり」のこと

 サドルは、ガーダを支え、クレーン全体を走行させる車輪を備える

 (ガーダ、サドル、クラブ)※フックブロックは構造部分に該当しない。 

 サドルとクレーンガーダは、リーマボルトで取付

 ガーダの補助けたは水平力に対し補強の役割をもつ。ボックスガーダは補助けた不要。

 クラブフレーム上に、巻上装置と横行装置を備える。

 クラブ(巻上用電動機、横行用電動機、リミットスイッチ、ドラム、電磁ブレーキ、シーブ)

 大容量クレーンには主巻と補巻がある。(定格荷重の大:主巻、小:補巻)

 電動機は主巻と補巻で別にあり、補巻の巻上げ速度は速い。

 

・橋形クレーンの脚は、片方が剛脚、他方が揺脚(ガーダ、脚)

・クレーンケーブルのメインロープは、ワイヤロープ

・ジブクレーンのジブは、ボックス構造やパイプ構造(ジブ、塔、脚)

 

・トロリ(荷をつって移動する台車)

 巻上装置と横行装置を備え、2本のレールを自走するトロリをクラブという。

 マントロリは運転室が取付けられ、トロリと共に移動

 ホイストは、電動機、減速機、ドラムなどをケーシングに収めたもの

 

・巻上げ装置

 巻下げのときの荷の速度制御をおこなっている

 巻上電動機、ブレーキ、減速装置、ドラムからなる

 リミットスイッチが設けられる

 

横行装置で、速度のおそいものはブレーキを設けない(ものもある)

起伏装置は、ウォームギア減速装置を用いる(ものもある)

旋回装置は、減速機部分にすべり継手を用いる(ものもある)

 

・ワイヤロープ

 ラングより:よりとストランドの方向が同じ

 普通より:よりとストランドの方向が反対(普通よりが一般的)

 フィラー形:ストランドを構成する素線の間に細い素線(フィラー線)。

 素線の切断が少なく形くずれが少ない

 太さ(径)は、外接円の直径

 安全率:3.5~5以上

 径が8mm以下:ウォーリントン形19本線6が用いられる

 

・つりチェーン(ロードチェーン)

 材料:特殊鋼

 ワイヤロープに比べ屈曲性が大きい

 安全率5以上

 

・つり具

 大容量のもの両フック

 複索式(ふくいつしき)グラブバケット

 支持ロープを停止、開閉ロープを巻きとればバケットは閉じ、巻きもどせば開く。

 支持、開閉の両ロープを同時に巻きとり、巻きもどすとバケットはそのままの状態で上げ下げ

  

コンテナ専用のつり具:スプレッダ

熱鋼片のつり具:クロー

ガラス板:バキューム式つり具

 

・歯車

 平歯車(スーパーギヤ)  歯が平衡。 減速比が小さい

 はずば歯車(ヘリカルギヤ)歯が斜め。 平歯車より減速比は大きい

 かさ歯車(ベベルギヤ)  形が円すい、橋形クレーンの走行装置に使用

 ウォームギヤ       駆動軸に対して直角。 減速比は大きい

 小さい方の歯車をピニオン

 

・ボルト

 リーマボルト:径が穴よりも大きい。取付の精度が良い

 ばね座金:ゆるみ止め

 舌付き座金:ゆるみ止め

 平座金:あたり面の悪いところに用いる

 キー:歯車や車輪を軸に固定する

 

・軸受け

 回転力を伝える回転軸、回転体をささえる固定軸

 

・軸継手

 フランジ形たわみ軸継手:電動機と減速機の連結

 わたみ軸継手:起動停止時の衝撃や荷重変化によるたわみの影響を緩和

 フランジ形固定軸継手:ボルトのせん断力により力を伝達

 自在軸継手:二つの軸が一直線上にない

 割形軸継手:取付け、取外しの時に軸を軸方向に移動させない

 

 エコライザシーブ 左右のワイヤロープの張力をつり合わせる

 

リミットスイッチ

 ねじ形、カム形(間接式):軸の回転により巻きとり長さを測り、間接的にフックの位置を知る。

巻きすぎを防止する。 

 ねじ形(ねじ軸の回転数に応じて)カム形(カムの回転角に応じて)

         ワイヤロープを交換したとき再調整要

         シーブ上面とトロリフレーム下面 250mm以上

         直働式に比較し停止精度が悪い

         直働式に比較し復帰距離が大きい

重錘形(直働式)

:フックブロックが上昇して上面でリミットスイッチを押し上げる。

 ワイヤロープを交換したとき再調整不要

         シーブ上面とトロリフレーム下面 50mm以上

         ホイスト式に多い

 

速度の遅い天井クレーンの横行には、緩衝装置をつけず車輪止め又はストッパーを設けている。

逸走防止装置:アンカー

巻過ぎ防止:リミットスイッチ

転倒防止:過負荷防止装置(転倒の恐れのあるジブクレーンのみ)

感電防止:フートスイッチ

 

ゼロノッチインタロックは、コントローラのハンドルがゼロノッチにないと主電磁接触器が投入できない。

 

ブレーキ

電磁バンドブレーキ:電流を絶つとバンドがブレーキドラムを締め付ける。軟鋼製

電磁ブレーキ:電磁石に電気を通じてブレーキをゆるめる

電動油圧式ディスクブレーキ:巻下げ時の速度制御用ブレーキ

              運転音が小さく衝撃も少ないが、制動までの時間が長い

              小形。

ブレーキライニングに油はNG

 

デリック

デリックは、マスト(またはブーム)を有し、ウインチが別置

ガイデリックク 360°ブームが旋回

        マスト、ブーム、ウインチからなる

ジンポールデリック マスト下部の固定方法に注意

          ブームを有していない(巻上げ、巻下げのみ)

ブームの傾斜角は、ブームの中心線と水平面とがなす角

スチフレッグデリック マストより長いブームが使用

           ガイデリックより安定度が高い

           240°ブームが旋回

                      ステーにはブーム位置によって引張力、圧縮力がかかる。

マストステップ マスト下部の受台のこと。マストの回転の下部支持点になる。

架台にボルトで結合。上部と下部のステップ接合部は球形の座になっている。

下部ステップには転がり軸受

 

ガイロープ ターンバックなどで緊張

デリックの原動機はウインチの後方に取付

ブルホイールによる旋回には2つのドラムが必要

旋回用の2つのドラムの一方がワイヤロープを巻き取ると、他方は巻き戻す。